【床下断熱材はいらない?】後悔する前に知るべき真実と判断基準とは

床下断熱材 いらない

こんにちは。後悔しない家選びのツボ、運営者の「yuji」です。

家づくりやリフォームの計画を進めていく中で、「床下断熱材」というキーワードに突き当たると、ふと疑問が湧いてきませんか?

「本当にこの工事は必要なのだろうか」「温暖な地域に住んでいるから、床下断熱なんていらないのでは?」と。特に、建築コストが年々上昇している今、少しでも削れる予算があれば削りたいと考えるのは当然のこと。

また、ネット上では「昔の家にはなかった」「基礎断熱なら床下にはいらない」といった断片的な情報が飛び交っており、何が真実なのか判断に迷ってしまうことも多いでしょう。

この記事では、なぜ「床下断熱材がいらない」という説が存在するのか、実際必要なのかどうか、その背景にある誤解を解明。プロの視点とは少し違う元住宅営業としてのリアルな視点も交えながら、後悔しないための判断基準を徹底的に解説していきます。

本記事の内容

  • 床下断熱材が「いらない」と言われる背景にある誤解
  • 「基礎断熱工法」と「床断熱工法」の決定的な違いと注意点
  • 住んでいる地域(省エネ基準地域区分)による必要断熱性能の違い
  • DIYやリフォームを検討する際に絶対に知っておくべき施工リスク
目次

床下断熱材はいらない説の誤解と真実

床下断熱材 いらない
引用:ホームプロ

「床下の断熱材なんていらないよ、昔の家はみんなそうだったんだから」。そんなベテラン大工さんや親世代の言葉を聞いたことはありませんか?確かに、日本の伝統的な家屋は「夏を旨とする」という兼好法師の言葉通り、風通しを最優先にして作られていました。

しかし、現代の気密性が高まった住宅において、その常識をそのまま適用するのは非常に危険。まずは、なぜ「いらない」という説が出るのか、そして科学的にはどうなのか、そのギャップを埋めていきましょう。

床下断熱材の効果と底冷え

多くの人が「断熱材がいらない」と考える最大の理由は、「自分は温暖な地域に住んでいるから」というもの。確かに、北海道や東北のような極寒の地でなければ、床下が凍りつくようなことは稀でしょう。しかし、断熱材の役割は「凍結防止」だけではありません。

室温と体感温度の決定的なズレ

私たちが「寒い」と感じる感覚は、空気の温度(室温)だけで決まるわけではありません。実は、壁・床・天井などの表面温度から受ける「放射熱(輻射熱)」の影響を大きく受けています。これを「作用温度」と呼んだりしますが、ざっくり言えば、体感温度は「(室温 + 床や壁の表面温度)÷ 2」くらいになります。

もし床下断熱材が入っていないと、床の表面温度は外気や地盤の温度に引っ張られて低下します。冬場、外気温が5℃の時、無断熱の床の表面温度は10℃〜12℃程度まで下がることがあります。

この状態でエアコンをガンガン効かせて室温を25℃にしても、計算上、体感温度は17.5℃〜18.5℃程度にしかなりません。「暖房をつけているのに、足元から冷気が這い上がってくるような寒さ」を感じるのはこのためです。

コールドドラフトと「底冷え」の正体

さらに厄介なのが「コールドドラフト」現象。冷たい床面に触れた室内の空気は、冷やされて重くなり、床付近に溜まります。これが足元を流れる冷たい気流となり、くるぶしから下を集中的に冷やします。

これが「底冷え」の正体。足元が冷えると、人間は全身が寒いと錯覚し、さらに暖房の設定温度を上げるという悪循環に陥ります。結果として、光熱費だけが跳ね上がり、快適性は低いままという悲しい事態になりかねません。

健康リスク:ヒートショックとの関係

単なる不快感だけなら我慢で済むかもしれませんが、もっと深刻なのは健康への影響。暖かいリビングから、無断熱で冷え切った廊下やトイレ、脱衣所に移動した際の急激な温度変化は、血圧を乱高下させ、「ヒートショック」を引き起こす原因となります。

特に高齢者のいるご家庭では、床下断熱はバリアフリーリフォームと同じくらい、あるいはそれ以上に重要な「命を守る設備」と言えるでしょう。

実際に、家庭内での入浴中の溺死者数は交通事故死者数よりも多く、その背景には家の中の温度差(ヒートショック)が大きく関わっているとされています。

関連データ
(出典:消費者庁『冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!』)
この資料でも、脱衣所や浴室の温度管理の重要性が指摘されています。床下断熱は、この温度管理を根本から支える重要な要素なのです。

基礎断熱なら床下断熱材は不要?

床下断熱材 いらない

「床下断熱材はいらない」という言説の中で、唯一「技術的に正しい」と言えるのが、この「基礎断熱工法」を採用しているケース。しかし、これも言葉の綾のようなもので、誤解を招きやすいポイントです。

「床断熱」と「基礎断熱」の構造的な違い

日本の住宅の大多数を占める「床断熱工法」は、1階の床組み(大引や根太)の間に断熱材を充填し、床下空間を「外部」として扱います。床下換気口から外気がビュンビュン入ってくる構造ですね。

対して「基礎断熱工法」は、建物を支えるコンクリート基礎の立ち上がり部分(および耐圧盤)に断熱材を貼り付け、床下空間を完全に密閉して「室内」と同じ環境として扱います。つまり、断熱のライン(境界線)が「床のすぐ下」にあるか、「基礎の外周」にあるかという違いです。

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比較項目床断熱工法基礎断熱工法
断熱材の位置1階の床フローリングの直下基礎コンクリートの立ち上がり部分
床下空間の扱い「屋外」扱い(外気が通る)「屋内」扱い(密閉される)
床下断熱材の要否絶対に必要床板の下には不要(基礎で断熱済み)

基礎断熱のメリットと注意点

基礎断熱工法の最大のメリットは、気密性(C値)を確保しやすいこと。床下の隙間を埋める作業が不要になるため、高気密高断熱住宅では標準的に採用されています。また、地熱を利用できるため、床下の温度が冬場でも15℃前後で安定しやすく、床暖房がなくても床がほんのり暖かく感じるという特徴があります。

「基礎断熱だから床下の断熱材はいらない」というのは、「基礎部分でしっかり断熱しているから、二重にやる必要はない」という意味です。決して「断熱そのものが不要」なわけではありません。ここを履き違えて、基礎断熱の仕様になっていないのに床下断熱を省くと、極寒の家が出来上がってしまいます。

床下断熱材の種類とスタイロフォームの特徴

断熱材と一口に言っても、その素材によって特性は全く異なります。ここでは代表的な「繊維系」と「発泡プラスチック系」について、それぞれの強みと弱みを深掘りします。

繊維系断熱材(グラスウールなど)

最もポピュラーで、コストパフォーマンスに優れているのがグラスウールです。ガラスを溶かして綿菓子のようにしたもので、空気の層で熱を遮断します。

  • メリット:材料費が安い、燃えにくい、シロアリが食い進みにくい(物理的に進めない)。
  • デメリット:水や湿気に弱い。一度濡れるとペシャンコになり断熱性能が失われる。施工精度が大工さんの腕に左右されやすく、隙間ができやすい。

「グラスウールはダメだ」という意見も聞かれますが、それは昔の低密度なものを適当に施工していた時代の話であることが多いです。現在は「高性能グラスウール16K」や「24K」といった高密度な製品を、防湿シートとセットで隙間なく施工すれば、十分な性能を発揮します。

発泡プラスチック系断熱材(スタイロフォームなど)

DIYやリフォームで人気なのが、水色の板状断熱材「スタイロフォーム(押出法ポリスチレンフォーム:XPS)」に代表される発泡プラスチック系です。

  • メリット:水をほとんど吸わないため、床下の湿気に強い。カッターで簡単に切れて、パズルのように床の間に嵌め込めるため施工性が高い。断熱性能(熱伝導率)が比較的良い。
  • デメリット:繊維系に比べて材料費が高い。熱に弱く、シロアリにかじられやすい。

特に「スタイロフォーム」は商品名ですが、同等の性能を持つ「カネライトフォーム」なども含め、床下断熱の主役級の素材です。水を吸わないという特性は、湿気が滞留しやすい床下環境において最強の武器になります。

ただし、経年劣化でわずかに収縮することがあり、その際に柱との間に隙間ができないような施工工夫(気密テープ処理など)が必要です。

厚さは地域で決まる

「断熱材を入れることはわかった。でも、どれくらいの厚さが必要なの?」という疑問に対する答えは、「あなたが住んでいる地域」によって決まります。日本は南北に長いため、北海道と鹿児島で同じ断熱基準を使うわけにはいかないからです。

省エネ基準の地域区分(1〜8地域)

国は日本全国を気候条件に合わせて8つの地域に区分けしています。
1・2地域:北海道などの極寒地
3・4地域:北東北、北関東、甲信越などの寒冷地
5・6・7地域:関東、東海、近畿、中国、四国、九州などの比較的温暖な地域
8地域:沖縄県などの亜熱帯地域

推奨される厚みの目安

一般的な「省エネ基準(断熱等級4)」や、より高いレベルの「ZEH基準」「HEAT20 G1/G2」を目指す場合、求められる熱抵抗値(R値)が異なりますが、ざっくりとした目安は以下のようになります。

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地域区分高性能グラスウール(16K)の場合スタイロフォーム(3種b)の場合
1・2地域200mm以上(二重施工など)100mm以上
3〜5地域100mm〜120mm60mm〜75mm
6・7地域80mm〜90mm50mm〜65mm

8地域(沖縄)のみが「いらない」の対象

この基準を見るとわかる通り、8地域(沖縄など)には床下の断熱基準(熱貫流率の基準)が設定されていません。 つまり、この地域に限っては「床下断熱材はいらない」というのが公的にも認められていると言えます。もちろん、冷房効率を上げるために施工する場合もありますが、必須ではありません。

逆に言えば、6地域(東京や大阪)であっても、最低限スタイロフォームなら50mm、グラスウールなら80mm程度は入れないと、現在の基準を満たす家にはならないということです。

床下断熱材とシロアリ被害

断熱材を導入する際に、どうしても切り離せない懸念事項が「シロアリ」です。「近所の家が断熱リフォームをしてからシロアリが出たらしい」といった都市伝説を聞くと不安になりますよね。ここでは、シロアリと断熱材の本当の関係について解説します。

シロアリにとって断熱材は「快適な隠れ家」

まず誤解しないでいただきたいのは、シロアリは断熱材を「エサ」として食べているわけではないということ(栄養にはなりません)。しかし、発泡プラスチック系の断熱材(スタイロフォームや発泡ウレタン)は、以下の理由からシロアリに大人気です。

  1. 暖かい:外気温の影響を受けにくく、一年中快適な温度が保たれています。
  2. 適度な湿度:結露などが起きれば、水分補給も可能です。
  3. 柔らかい:アゴの強いシロアリにとって、発泡プラスチックをかじってトンネルを掘るのは朝飯前です。

つまり、断熱材はシロアリにとって「外敵(クロアリなど)から身を守りつつ、快適に移動できる安全なハイウェイ」になってしまうのです。

基礎外断熱の最大の弱点

特に危険なのが、「基礎断熱工法」の中でも基礎の「外側」に断熱材を貼る「基礎外断熱」です。地面の中からやってきたシロアリが、断熱材の中を食い破って上昇し、そのまま土台の木材へ侵入します。

この場合、断熱材が目隠しとなり、外からは蟻道(シロアリの通り道)が全く見えません。発見した時には柱がスカスカ…という事例が後を絶たないため、最近では採用を控える工務店も増えています。

対策:物理バリアと防蟻断熱材

ではどうすればいいのか。基礎断熱を採用する場合は、以下の対策が必須です。
防蟻断熱材の使用:ホウ酸やネオニコチノイド系の薬剤を練り込んだ、シロアリが嫌がる断熱材(スタイロフォームAT、パフォームガードなど)を使用する。

物理的バリア:基礎の下端にステンレスメッシュ(ターミメッシュなど)を設置し、物理的に侵入できないようにする。

床断熱(床下に潜れるタイプ)の場合は、基礎の立ち上がりが露出しているため、定期的に点検して蟻道がないかチェックすれば、早期発見が可能であり、リスクはコントロールしやすいと言えます。

床下断熱材はいらないと判断する前の対策

床下断熱材 いらない
引用:フイックスホーム

ここまで読んで、「やっぱり床下断熱は必要だ」と感じていただけたでしょうか。しかし、現実には予算の壁や、すでに建ってしまった家の寒さという問題があります。ここからは、これから家を建てる人だけでなく、今の家の寒さに悩む人に向けて、具体的な対策とアクションプランを提案します。

床下断熱材の後付けリフォームと費用

床下断熱材 いらない
引用:断熱リフォームの匠

「冬の朝、キッチンに立つのが辛い」「廊下が氷のように冷たい」。そんな悩みを持つ既存住宅の多くは、床下断熱材が入っていないか、あっても薄くて隙間だらけの状態。実は、床下断熱のリフォームは、窓のリフォームと並んで体感効果が非常に高い工事です。

1. 床下潜り込み工法(非破壊工法)

現在の床を剥がさず、職人さんが床下点検口から潜り込んで、下から断熱材を施工する方法です。
費用目安:20坪(約40畳)で20万円〜40万円程度。
メリット:住みながら工事ができ、費用も抑えられる。
デメリット:床下の高さ(40cm以上など)が必要。職人さんの技術力と忍耐力に大きく依存する。

2. 床張り替え工法

今のフローリングを全て剥がして、上から断熱材を入れ直し、新しい床材を貼る方法です。
費用目安:20坪で100万円〜200万円程度(床材のグレードによる)。
メリット:確実に隙間なく施工でき、床の強度や段差解消も同時に行える。
デメリット:費用が高額になり、工事中は部屋が使えない。

最近では、「先進的窓リノベ事業」や「子育てエコホーム支援事業」など、国の補助金制度が充実しています。断熱リフォームは補助金の対象になりやすいため、これらを賢く利用すれば、実質負担を大幅に減らせる可能性があります。リフォーム会社に見積もりを取る際は、必ず補助金の活用についても相談してみてください。

床下断熱材をDIYする際の落下リスク

ホームセンターでスタイロフォームを買ってきて、自分で床下に潜って断熱材を貼る。YouTubeでは簡単そうに見えるかもしれませんが、私が個人的にDIYをおすすめしない理由は「施工品質の確保が極めて難しい」から。

重力との戦い:断熱材の落下

床下での作業は、常に「上を向いて」行います。狭くて暗い空間で、配管や配線を避けながら断熱材を正確なサイズにカットし、根太の間にパチッとはめ込む。これだけでも至難の業ですが、最大の問題は「固定」です。


断熱材は軽そうに見えますが、経年変化で木材が痩せたり、人が歩く振動が加わったりすると、意外と簡単に外れてしまいます。専用の「受け金具」や「断熱材落下防止ピン」を使って物理的に固定しないと、数年後に床下を覗いたら断熱材が全部地面に落ちていた…なんてことになりかねません。

見えない敵:気流止め

さらに、DIYで最も失敗しやすいのが「気流止め(きりゅうどめ)」の未施工。昔の在来工法の家は、壁の中と床下が繋がっています。いくら床に断熱材を貼っても、壁と床の隙間から冷たい空気が壁の中に入り込み、コンセントの穴などから室内へ吹き出してきます(煙突効果)。


プロのリフォームでは、この空気の通り道をグラスウールなどで塞ぐ「気流止め」を最初に行います。これをやらずに断熱材だけ貼っても、穴の空いたバケツに水を注ぐようなもので、効果は限定的です。

劣化とカビを防ぐ方法

断熱材は「入れれば終わり」ではありません。間違った施工をすると、逆に家を腐らせる原因になることすらあります。その主犯格が「湿気」と「カビ」です。

床下特有の過酷な環境

床下は、地面からの湿気が常に上がってくる場所。特に梅雨時から夏場にかけては、湿度が80%〜90%になることも珍しくありません。この湿気をどうコントロールするかが鍵となります。

夏型結露(逆転結露)の恐怖

最近の高断熱住宅やリフォームで問題になるのが「夏型結露」です。夏、エアコンでキンキンに冷やされた室内(25℃)の影響で、床板の裏側も冷たくなります。そこに、床下の高温多湿な空気(30℃・湿度80%など)が触れるとどうなるか。


冷たいグラスに水滴がつくのと同じ原理で、断熱材と床板の間で結露が発生します。これがカビの原因となり、最悪の場合、床板を腐らせて床が抜ける原因になります。

防ぐための鉄則

これを防ぐためには、以下の施工ルールを守る必要があります。
1. 隙間のない施工:断熱材と床板の間に空気が入らないように密着させる。

2. 防湿層の向き:グラスウールなどの繊維系を使う場合、防湿フィルム(ツルツルした面)は必ず「室内側(暖かい側)」に向ける。これを逆にすると、断熱材の中で内部結露が起きます。

3. 透湿抵抗比の考慮:床下の湿気を吸いにくい素材(スタイロフォームなど)を選ぶか、適切な換気計画を立てる。

おすすめの床下断熱材と選び方のコツ

最後に、これから新築やリフォームをするなら、どの断熱材を選べば正解なのか、3つのパターン別におすすめを紹介します。

1. コストパフォーマンス重視なら「高性能グラスウール」

「予算は抑えたいけど、性能も妥協したくない」という方には、高性能グラスウール(密度16K〜24K)が最強です。

材料費が安く、防蟻性もあり、燃えにくい。ただし、前述の通り施工技術が命なので、「気密施工が得意な工務店」にお願いする場合に限ります。「袋入りのグラスウールをただ並べるだけ」の施工では効果が出ないので注意してください。

2. 気密性と断熱性能を極めるなら「フェノールフォーム」

「とにかく暖かい家にしたい」「足元の冷えを根絶したい」という方には、フェノールフォーム(商品名:ネオマフォームなど)がおすすめです。

熱伝導率が0.020W/m・K前後と、世界最高レベルの断熱性能を誇ります。厚みが薄くても高い効果が出るため、リフォームにも最適です。価格は高いですが、その価値は十分にあります。

3. シロアリ対策と湿気対策を両立するなら「防蟻EPS/XPS」

基礎断熱を採用する場合や、湿気が多い土地柄なら、防蟻薬剤入りの発泡プラスチック系(商品名:パフォームガード、スタイロフォームATなど)一択です。水を吸わないのでカビのリスクが低く、薬剤入りならシロアリの侵入も防げます。

結論:床下断熱材がいらない地域は限定的

長い解説にお付き合いいただきありがとうございました。結論として、「床下断熱材がいらない」と胸を張って言えるのは、沖縄などの極めて温暖な8地域に住んでいる場合か、基礎断熱工法で基礎部分をしっかり断熱している場合(床板直下は不要)のいずれかに限られます。

それ以外の、日本のほとんどの地域においては、床下断熱材は「贅沢品」ではなく、人間らしい生活を送るための「必需品」。

「見えない部分だから」といってコストカットの対象にしてしまうと、住み始めてから「足元が寒い」「光熱費が高い」「お風呂場が寒い」といった日々のストレスに何十年も悩まされることになります。

家づくりは、キッチンや壁紙を選ぶのも楽しいですが、家の性能という「見えないインナー」にお金をかけることが、長く快適に住み続けるための最大の秘訣。ぜひ、目先のコストだけでなく、30年後の健康と快適さを見据えて、賢い選択をしてくださいね。

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